夢

夢、夢を見ている。

不思議な空間を抜け、懐かしい知人と出会った夢。

一緒に喋り、歩き、途中で知り合いに会い、

店に入り、買い物をする、そんな他愛のない夢。

なのに何故だろう？なんだか楽しくて、切なくて、ありえなくて、

現実の世界に戻された後も余韻に浸っていた。


夢から覚めた。

体を起こして気づく、携帯の着信表示ランプ。

『新着メール１件』、開いてみる。

夢で会った知人からのメール。

ちょっとした近況報告メール、返事が遅くなったとすぐに返信する。

返事が返ってくる、他愛のない一時。


ふと考える、あれは夢だったのか。

間違いなく、夢。

でも、普通の夢とは違う、夢。

何かの力を感じさせる、不思議な夢。

現実と夢とを繋げる不思議な力。

その考えが夢のまた夢だけど、

そんなありえない力を感じていた。